光、香り、音楽が織りなすリラクゼーション空間：「Amrta」

Simeng Yaoによる新たなSPA空間の創造

視覚、嗅覚、聴覚の三つの側面からリラクゼーション空間を創り出すという新たな試み「Amrta」。光、香り、音楽を媒体に、伝統的な足湯空間の概念を打破し、静寂、解放、意図という新たな空間を多次元的に解釈した。

このプロジェクトは、大きな線状のインスタレーションを通じて山の景色を芸術的かつ抽象的に表現している。柔らかなナイロン糸の使用により、山の景色は長く柔らかな感じを持ち、空間全体の雰囲気と調和している。

デザイナーSimeng Yaoは、均一でクリーンな照明を使用して全体の空間を包み込み、壁の境界をぼかし、視覚的に空間を開放し、人々に落ち着きを感じさせる。さらに、部屋の照明は全て調節可能なスマート照明で、天候の変化に応じて光と色温度を調整することが可能だ。

プロジェクトのオーナーはデザインに対して高い要求を持っていたが、予算は限られていた。そのため、デザインの実現過程では、環境保護とデザイン感を基に、よりコストパフォーマンスの高い主要な材料を最大限に探し、300平方メートルのプロジェクトを60万元で実現させた。

全体の空間は334平方メートルで、ベッドは合計20台ある。インテリア、SPA、絵画、照明、山、商業といったキーワードがデザインに反映されている。このプロジェクトは2019年9月に中国の重慶で開始され、2020年2月に同地で完成した。

このデザインの最大の挑戦は、限られた資金の条件下で十分な芸術的な意匠を創り出すことだった。そのため、視覚、聴覚、嗅覚の三つの側面から共同で芸術的な意匠を創り出すための突破口として、照明、音楽、香りを取り上げた。

このデザインは、静寂、解放、意図という新たな空間の解釈を通じて、伝統的な足湯空間の概念を打破することを試みている。また、このデザインは2021年にA'インテリアスペース、リテール＆エキシビションデザイン賞のブロンズを受賞した。